RESEARCH DETAILS

研究詳細と各研究トピック

Carrier Ions Elements

取り扱うキャリアイオン

FLUORIDE ION CONDUCTORS

フッ化物イオン伝導体の探索

フッ化物電池は、リチウム電池に比べて高い理論エネルギー密度を持つ次世代蓄電デバイスとして注目されています。フッ化物電池の実現に必要不可欠なのが、フッ化物イオンが固体中を高速に伝導可能な固体電解質材料の開発です。

本研究では、新規フッ化物イオン伝導体の探索と、その伝導メカニズムの解明に取り組んでいます。特に、電気化学的安定性とイオン伝導性を両立した固体電解質の開発や、極めて高いイオン伝導率を示す孤立電子対系のフッ化物イオン伝導体の開発に取り組んでいます。

主な成果:

  • • CsPb₀.₉K₀.₁F₂.₉における極小活性化エネルギー(7.9 kJ/mol)の達成
  • • 孤立電子対の動的再配向によるイオン輸送促進の初実証
  • • 室温で10⁻⁴ S/cmを超える新たなSn系タイソナイト材料の開発
  • • Y₂C↔Y₂CF₂のF⁻可逆インターカレーション負極活物質の開発
Fluoride Ion Conductor 1Fluoride Ion Conductor 2Fluoride Ion Conductor 3Fluoride Ion Conductor 5
Lithium Ion Conductor
LITHIUM ION CONDUCTORS

リチウムイオン伝導体の探索

全固体リチウムイオン電池の実用化に向けて、高いイオン伝導性と化学的安定性を両立する新規固体電解質の開発が急務です。本研究では、材料インフォマティクスと実験を融合したアプローチで効率的な材料探索を行っています。

成果:

  • • 配位多面体モチーフを特徴量とした機械学習モデルによる新規Li導電体の発見(JACS掲載)
  • • 硫化物系、酸化物系など多様な材料系での探索
HYDRIDE ION CONDUCTORS

ヒドリドイオン伝導性材料・デバイスの探索

水素の陰イオンであるヒドリドイオン(H⁻)を電荷担体とする新しいエネルギーデバイスの開発に取り組んでいます。ヒドリドイオン伝導体は、その高速性と特異な反応性を活かした新規電池系の構築が期待されています。

研究内容:

  • • ペロブスカイト型ヒドリド伝導体:SrLiH₃をベースとした新規組成の開発
  • • Sr₂LiH₂Nのヒドリドイオン導電性の報告
  • • K₂NiF₄型酸水素化物:La₂LiHO₃の常圧合成法の確立
Hydride Ion Conductor 1Hydride Ion Conductor 2Hydride Ion Conductor 3Hydride Ion Conductor 4
Anion Intercalation Electrode
ANION INTERCALATION

アニオンインターカレーション電極の探索

従来のカチオン(Li⁺、Na⁺など)インターカレーションとは逆に、アニオン(F⁻、Cl⁻など)が可逆的に挿入・脱離する電極材料の開発に取り組んでいます。新たな電池系の構築により、より高いエネルギー密度の実現を目指しています。

成果:

  • • Y₂C↔Y₂CF₂のフッ化物可逆インターカレーション反応の実証
  • • 新規負極活物質としてのカーバイド系材料の開発
  • • フッ化物電池への応用展開
MACHINE LEARNING

機械学習・仮想空間を活用した探索

材料インフォマティクスと計算化学を融合し、機械学習を用いた新規イオン伝導体の効率的探索手法を開発しています。実験と理論の両面から材料設計を行うことで、従来の試行錯誤的な探索を大幅に効率化します。

アプローチ:

  • • 配位多面体モチーフを特徴量とした機械学習モデル構築
  • • 第一原理計算による伝導メカニズム解析
  • • ニューラルネットワークポテンシャルを用いた分子動力学シミュレーション
Machine Learning Research
High-Throughput Synthesis
HIGH-THROUGHPUT SYNTHESIS

ハイスループット合成

コンビナトリアル合成とハイスループット評価を組み合わせることで、従来よりも格段に高速な材料探索を実現しています。多数の組成を同時に合成・評価することで、新規材料の発見確率を大幅に向上させます。

手法:

  • • 組成傾斜薄膜による迅速な組成最適化
  • • 自動化された合成・評価システム
  • • インピーダンス測定による高速スクリーニング
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